センスはすぐには身につかない、って話。
予算の関係もあり、制作物の一部は
社内で作ることがある。
あるのはいいのだが、
そのクオリティーがあまりよろしくない。
どう言うわけだか、
制作の腕が事務員レベルの人間のPCに
当たり前のようにInDesignやIllustratorなんかが
入っている会社なのだが、
使っている人間は、いっぱしのものが作れるわけではなく、
学生ががんばったレベルのものを量産している。
町内会のチラシレベルのものを
けっこうな金額を投じて作ってると言っていい。
そういう面々をつぶさに観察して気づいたのだが、
どういう風に作業すればいいのか、
という点については、やたらと詳しいが、
なにをやればよくなるか、という点に関しては、
まるっきし考えている気配がない。
「この道具があれば、自分にもできる」
という、あまりおつむを使ってない人
独特の理論で、とりあえず道具だけそろえて、
ネットで使い方を調べ、
それで“できる”と主張されている。
社内で回覧する程度なら、
それでもいいのだけれども、
問題はお客さんがいるものに対しても
そのトーンで制作をしているんで、
広告効果がえらく低い。
話を聞いていると、
それぞれにそれなりに
本を読んだりしているらしいのだが、
その割には、出来がよくない。
結論から言うと、
センスを磨く子としていないからだ。
広告代理店や製作会社の中にいる
デザイナーさんなんかだと、
美術館の企画展なんかには
素早く反応して観に行ったりしている。
もともとそういうのが好きな人たち
ってのもあるのだけれども、
そういうのに大量にふれると、
それなりに善し悪しが分かるようになるし、
なによりも、あんまり時間をかけられない仕事にしたいして
“ネタもと”が大量にできるんで、
短時間でもそこそこのものができる。
展示されるような作品に大量にふれるということは、
突き抜け方の見本を大量に知っているともとれるんで、
デザインワークでぬかるみにはまってしまったとき
(壁ではない、私みたいなヘボディレクターがよくやる、
ああでもない、こうでもないみたいな、作業の淀み)
そこから抜け出す非常口みたいなのも
そういうところから引っ張ってこれる。
これが、会社の面々ではどうだろう。
たしかにイラレでデータは作れるのだが、
レイアウトがまちまちであったり、
写真や文字の扱いに統一性がなかったり、
きれいに整える技法がないものだから、
ページ全体が雑然としてしまい、
なにをみたらいいのかわからないものになっている。
そして、それを作った当人は、
ページを作ったと言うところで満足し、
それが見やすいのかとか、
考えた気配すらない。
要は、こうやったら(形だけは)できる、
というノウハウだけあり、
見栄えのするものを作るための最小限のセンスとかは
まったく磨かないできたから
そうなったのだと思う。
デザイン系の専門学校生でもいいので、
手元にきてくれたらなー、
なんて思ったが、
どうにもならなそうなんで、ここにグチっとく。